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2005年 2/9
西本智実 チャイコフスキーの“幻の交響曲”を世界初演
すでに、2月7日 日本経済新聞朝刊などで報じられている通り、西本智実(チャイコフスキー財団・ロシア交響楽団 芸術監督・首席指揮者、サンクトペテルブルク国立アカデミックオペラ・バレエ劇場首席客演指揮者)がチャイコフスキーが晩年、未完成のまま残した幻の交響曲『人生』の補筆完成版を2005/6シーズン(9月〜10月の予定)に世界初演する見込みとなった。


以下はチャイコフスキー財団からのプレス・リリース・・・・・・
  西本智実
チャイコフスキー 未完の交響曲『人生』世界初演について

チャイコフスキー財団と国立チャイコフスキーの家博物館は今年のチャイコフスキー生誕165周年を記念して、チャイコフスキーの未完の交響曲の世界初演をクリン市の同博物館で秋に行う予定である演奏はチャイコフスキー財団『ロシア交響楽団』 指揮は同交響楽団芸術監督の西本智実である。

財団と博物館は数年前よりチャイコフスキーの未完の交響曲並びに小品の研究を行ってきたが、今回演奏される曲は、チャイコフスキーが『交響曲 第5番』の初演(1888年)を終え、『交響曲 第6番 ロ短調 悲愴』(1893年初演)の作品にとりかかる1889年から1892年の間に創作された交響曲である。
チャイコフスキーが残した“標題についての説明”というメモではこの交響曲には『人生』という題がつけられている。
『交響曲 人生』が創作されたこの時期はチャイコフスキーが、バレエ『くるみ割り人形』(作曲1892年)、オペラ『イオランタ』(作曲1891年)を創作し、アメリカをはじめとする海外演奏旅行で精神的にも肉体的にも非常に過酷な状態であった。さらにこの状況に追い討ちをかけるようにパリで、妹のアレクサーンドラの死を告げられ、チャイコフスキーは衝撃的なダメージを受ける。
残された作曲家のメモには次のように記述されている。
『次は交響曲:人生のスケッチです! 第一楽章、全体は高揚、確信、感動への熱望、全体に短く(フィナーレは死、破滅の結末) 第ニ楽章のテーマは『愛』、第三楽章は『絶望』、第四楽章は『消滅−消え行くこと』で終わる・・・・『人生』『青春』『障害』『戯れ言』『コーダ−前進!前進!・・・・・』

チャイコフスキーは1892年5月にこの『交響曲 人生』(作品の主題の調整から『交響曲 変ホ長調』とよばれる)の作曲に着手していることを公言。 同年の8月までには完成させようと目論んでいたが、結局完成を見ずに1893年にこの世を去った。その後1950年代にポガトリョフという作曲家が4楽章からなる作品を再構築したが、オリジナルにはないスケルツォなどの追加や復元の手法には賛否両論あり、現在も論議が絶えない。
こうした中で今回、チャイコフスキー財団と博物館はあくまでも作曲家のオリジナルにこだわり現存するすべての資料を基に『未完成の3楽章の交響曲  人生』を復元し、世界初演を行うものである。
財団と博物館は2005年シーズンの9月−10月に世界初演を予定している。



国立クリン・チャイコフスキーの家博物館 ガリーナ・ベロノービッチ館長
チャイコフスキー財団 アンドレイ・シェルバック理事長のコメント


ロシアが誇る偉大な作曲家ピョートル・イリイーチ・チャイコフスキーの生誕165周年を記念して、彼の祖国であるロシアをはじめ、世界各国で様々な記念事業が挙行されます。その一環として、貴重な研究資料を数多く収集し、チャイコフスキー研究の世界的な拠点として知られる『国立クリン・チャイコフスキーの家博物館』では、館を挙げての大規模な記念事業を計画しております。(同事業はまた、チャイコフスキーのクリン市定住110周年を祝うものでもあります)。
それは同博物館とチャイコフスキー財団の共同プロジェクト『未完の交響曲:人生』の復元事業に他なりません。 幻のシンフォニーが、現存するあらゆる資料を基に、同博物館所属の研究者たちの手によって、作曲家の意図に最も忠実なスタイルである『3楽章の交響曲』として完璧に再現されます。
世界中の音楽を愛する人々から、この意義深いプロジェクトへの賛同の声がよせられています。



チャイコフスキー財団『ロシア交響楽団』西本智実・芸術監督のコメント

偉大な作曲家の初演が出来ることを私も楽団員も大変光栄に感じています。
生存中にすでに国際的名声を得ていた音楽家 チャイコフスキーと人間チャイコフスキーの光と翳を感じながら取り組みたいと思っています。
初演に向けてはあらゆる角度からの考察が必要ですが、幸いロシアには作曲家が生きた帝政ロシア時代のものがしっかり現存し息づいています。
私がそういったところに入って行くとき、日本人として日本の歴史・文化を大切におもうように、同じ心で彼らが守りぬいてきた文化に触れてゆきたいと思っています。

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