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ジョセフ・ウォルフ(指揮)Joseph Wolfe (Cond.)
  Joseph Wolfe  

 −ウォルフで特別なのは、彼がハイドンやモーツァルト、ベートーヴェンといった古典作品に寄せる共感と理解であり、これは稀有な天賦の才能です。彼の音楽作りは全く誠実なもので、どこにも虚飾がありません。レパートリーが広いようで、現代ものを沈着堂々とさばく一方で、ロマン派作品でみせる激情を見ると、こちらが彼の本領かもしれないとも思うのです。音楽に対する深い理解と愛情があるのです。−内田光子

 
 将来が極めて嘱望されるイギリスの指揮者ジョセフ・ウォルフ、彼は2006〜07年のシーズンにロンドン・フィルハーモニー管弦楽団と5回の共演を果たした。
【サンデー・タイムズ紙07年4月1日付け批評:「彼は楽譜を目の前に置いてはいる。が、シューベルトの交響曲8番とシベリウスの交響曲1番でその楽譜に目をやることはほとんどなかった。シューベルトの演奏は力強く、かつ、悲劇的な緊張をはらみ、シベリウスはより生(き)のままの、束縛を感じさせぬ演奏であった」ポール・ドライバー】

 同シーズンには更にイスタンブールのボルサン室内管弦楽団の首席客演指揮者に指名されたほか、マルメ・オペラ(スウェーデン)よる『デッドマン・ウォーキング』(ジェイク・ヒギー作曲)を指揮して海外でのオペラ・デビューを果たした。
【オペラ誌2007年2月号批評:「…イギリスの指揮者ジョセフ・ウォルフは極めて順調なオペラ・デビューを果たした。その指揮は、力強い箇所を強調し、より感傷的な部分では慎重に抑制をきかせ、全体をよくまとめていた」クヌート・ケティング】


 2007年5月、6月にはバーミンガム市交響楽団、及びスコットランド室内管弦楽団と初共演したほか、スカンディナビアとドイツでも今シーズン初の出演をしている。
2005〜06年シーズンに行ったデビューでは、彼が出演した全てのオーケストラから再び招請されている。イギリス室内管弦楽団、シティ・オブ・ロンドン・シンフォニア、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団や、その他英国外で共演したオーケストラなどである。最近では、トルコのイスタンブール・サマー・フェスティバル2006のオープニング・コンサートでボルサン・フィルハーモニー管弦楽団と共演し、その結果更に3年間の招請を受けることになった。
 またウォルフはミュンヘン室内管弦楽団、及びバンベルク交響楽団と共にバイエルン放送協会向けのラジオ録音も行っている。
【「ウォルフは“若くて有望な指揮者”から、指揮者として成功するために必要な全てのスキルを具えた本物のアーティストへと成長した。彼は音楽的才能、完璧な技術、素晴らしい耳、そして傑出し尊敬される指導者としてオーケストラと協働していけるパーソナリティを具えている。」ヴォルフラム・グラウル バイエルン放送協会、エグゼクティブ・プロデューサー】

 2007〜2008年シーズンには、オランダ、ベルギー、アイルランドでのデビューを果たした。
【アイリッシュ・タイムズ紙批評2007年9月:「まずは注目されるモーツァルトの『ドン・ジョヴァンニ序曲』、その冒頭の数小節を聴いただけで、この新進気鋭のイギリス人指揮者ジョセフ・ウォルフが、パワフルで凝縮力の高い演奏を志向し、かつ、その激しさを制御する力を備えていることがはっきりとわかった。この特性は、コンサートの最後に演奏されたシベリウスの『交響曲第1番』においても現れていた。」マーティン・アダムス】

 今後は2008〜2009年シーズンに、オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団との初共演がユトレヒトとアムステルダムのコンセルトヘボウで予定され、同じく日本フィルハーモニー交響楽団(東京)、ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団とのデビューがある。またコペンハーゲンと、『デッドマン・ウォーキング』を振るマルメーからも再度の招請を受けている。
 
 ジョセフ・ウォルフは指揮をドレスデンのカール・マリア・フォン・ウェーバー大学在学中に学び始め、そこでドレスデン室内交響楽団を立ち上げ、その指揮をしている。同時期にはブランデンブルク・フィルハーモニー管弦楽団の客演指揮者でもあった。英国に帰るとすぐにギルドホール音楽演劇学校で勉強を続け、そこではロンドン・ニムロッド・アンサンブルを結成。その後は、モスクワ交響楽団とチェコ・フィルハーモニー管弦楽団とのコースを通してコンラート・フォン・アーベル(セルジュ・チェリビダッケの助手)、並びにヨルマ・パヌーラ教授(ヘルシンキ)の元で学んだ。2004年夏のタングルウッド音楽センターに招かれた際には、ひとつのコンサートの指揮をクルト・マズアと分担し、ブリテンのオペラ『真夏の夜の夢』の指揮助手を務めた。また、彼は第7回リーズ指揮者コンクールで受賞している。2003年にはバイエルン州立ユース・オーケストラとの初共演の後、すぐに同オーケストラの2004年のミュンヘン、ガスタイクでのコンサートとニュルンベルクでのコンサートに招請を受ける。両コンサートはバイエルン・ラジオで放送され、2006年夏には同放送局の録音のために再訪している。ロンドンでは、ギルドホール音楽演劇学校で2005〜2006年シーズンの指揮者フェローシップを受けたが、その期間中はギルドホール・シンフォニアの指揮と室内楽の指導、そして指揮クラスの助手などを務めた。
 
 【classicalsource.com批評2007年4月ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団コンサート:「残念ながら『未完成』交響曲はバックグラウンドミュージックともいうべきほどポピュラーになっており、耳にする機会があまりに多い。そういうわけで、ここで美しく奏でられたジョセフ・ウォルフの精妙で心奪う演奏がもたらした喜び(このようなシューベルト音楽の極致を聴いてぴったり適当な言葉が見つからないが)について語るのはとりわけ喜ばしいことである。 [ 略 ] ウォルフ指揮によるシベリウスの交響曲第1番の演奏で特に際立っていたのは、シベリウス本来の響きを出すために、チャイコフスキーの影響を抑えて表現していたことである。えてして感傷的に流れがちな緩徐楽章においてすらそれはあてはまる。ウォルフは変化する木管楽器の主題を、弦楽器が交錯するその上を抜けるように際立たせ、それがこの作品の構造に新鮮な魅力を与えていた。それぞれの楽節が真正の動機(モメンタム)を備え、それが作品全体に形式上の統一感を与えていた。これは多くの演奏を聴いても稀なことである」エドワード・クラーク】

(2008年5月現在)

※ジョセフ・ウォルフの名は『芸名』である。彼は英国が誇る巨匠 サー・コリン・デイヴィスの実息。



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