クリストファー・ヒンターフーバーによる このプログラムへのメッセージ

このプログラムは、ウィーンで作曲された音楽（ベートーヴェン、シュトラウス、シュルホフ、シューベルト）またはウィーンとの強い関連性を持つ音楽（ラヴェル、ゴドフスキー）を中心に構成されています。
2025年の二つの記念年にもちなんでおり、それはアントニオ・サリエリ没後200周年と、ヨハン・シュトラウス2世生誕200周年です。さらに、すべての楽曲がワルツと何らかの関連を持っています。

ゴドフスキーの『こうもり』交響的変容は1907年に完成されており、シュトラウスのオペラの第1幕・第2幕の主題を煌びやかで機知に富んでいるだけでなく、その多声的な構成から批評家が「ヨハン・シュトラウスがヨハン・セバスティアン・バッハと共に踊っている」と評したほどです。

また、1919年から1920年に作曲されたラヴェルの有名な管弦楽曲『ラ・ヴァルス』の彼自身による編曲も演奏します。この曲は1906年にウィーンのワルツとヨハン・シュトラウス2世への賛歌として構想されましたが、第一次世界大戦のために作曲は延期されました。戦争の衝撃はこの曲に、より暗く、より強烈な低音を加え、結尾は元のワルツの素材の暴力的で天啓的な壊滅のように思われます。

後半のシューベルトのト長調ソナタD894は、1826年の死の2年前に書かれ、演奏者と聴き手にとって超越、憂愁、内なる静寂の世界への非凡な旅です。
このソナタは、おそらくこの作曲家による私の最も好きなソナタだと思います。

クリストファー・ヒンターフーバー（ピアノ）
オーストリア生まれ。R. ケーラー、A. クエンチアン、H. メジモレックの各氏にウィーン国立音楽大学にて師事。
イモラ国際ピアノ・アカデミーにてL. ベルマンに師事。ヨハン・セバスティアン・バッハ国際、プレトリア国際、ベートーヴェン国際ピアノ・コンクール他、多くのコンクールで入賞。
2002年から03年にかけて行われた、ヴァイオリニスト、P. コパチンスカヤとの国際シリーズでは、新星ピアニストとしてNYカーネギーホールとヨーロッパ各地の主要コンサートホールで演奏し、その後世界各地の音楽祭に招かれる。V. アシュケナージ、J. フルシャ、S. カンブルラン等の指揮者、著名オーケストラと多数共演。また室内楽の演奏にも力を注ぎ、コンサートシリーズを、アルテンベルク・トリオのメンバーとしてウィーン楽友協会で、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のメンバーと結成したピアノ五重奏団フィルハーモニック・ファイヴのメンバーとしてウィーン・コンツェルトハウスで行っている。また、世界各国でマスタークラスを開講している。
現在ウィーン国立音楽大学教授。
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