イタリア、ドイツ、そしてアイルランドの血筋を引く ドリアン・ウィルソンは1964年 カリフォルニアで生まれた。
オーベリン音楽院でピアノと芸術史を、インディアナ大学でピアノとヴィオラを、ミシガン大学とウィーン国立音楽大学で指揮を学んだウィルソンはレナード・バーンスタインの最後の生徒の一人であったが、グスタフ・マイヤー、ドミトリー・キタエンコ、ルドルフ・バルシャイ、ヨルマ・パヌラにも師事した。
1989年 弱冠24歳でニコライ・マルコ国際指揮者コンクールに入賞して一躍国際的な脚光を浴び、モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団第2指揮者に楽団史上最年少の25歳で就任。ロシアとの密接な関係はその後も継続しており、特にロシア・ナショナル管弦楽団、サンクト・ペテルブルク・フィルやサンクト・ペテルブルク交響楽団には度々客演している。
国際音楽コンクール連盟によると、ウィルソンはディミトリ・ミトロプーロス(アテネ・1996年)、キリル・コンドラシン(アムステルダム・1994年)、東京国際(1994年)、アントニオ・ペドロッティ(イタリア・1991年)、アルトゥーロ・トスカニーニ(1990、1992年)、ニコライ・マルコ(コペンハーゲン・1989、1992年)、ヤン・シベリウス(ヘルシンキ・1995年)という世界的に最も権威のある国際コンクールに参加し、その全てで上位入賞を果たしている。これほどの圧倒的な実績を持つ指揮者はウィルソン以外にはいない。
ウィルソンは1998年から2003年までドイツ・フォアポンメル劇場 音楽監督を務めており、『トスカ』『ルサルカ』『フィデリオ』『オテロ』『蝶々夫人』『魔弾の射手』『道化師』『ジャンニ・スキッキ』『リゴレット』『アイーダ』『真夏の夜の夢』(ブリテン)などに加えて、現代オペラ作品の制作も手がけた。その他 ボルドー歌劇場で指揮した『コシ・ファン・トゥッテ』、ベルリン・ドイツ・オペラでの『フィガロの結婚』や『カルメン』、ベルリン・コーミッシュ・オパーにおける『トゥーランドット』『椿姫』、スウェーデン王立歌劇場での『フィガロの結婚』はいずれも絶賛を博しており、緊急要請により『ラ・ボエーム』の新しいプロダクションを指揮したヴァイマール国立歌劇場では『ローエングリン』のプロダクションの指揮も担当した。
彼はまた、知られざる作品の紹介にも積極的で、旧東ドイツの聴衆に、ヒナステラ、コープランド、マルティヌー、ピアソラ、ブリテン、レスピーギ、ファリャなどの作品を紹介。加えて、シベリウスの『テンペスト』全曲のドイツ初演、ドビュッシーの『ペレアスとメリザンド』による交響曲(コンスタント版)のデンマーク初演、バーバーのオルガンと管弦楽のためのトッカータのスカンジナヴィア初演、2005年にはサンクト・ペテルブルク・フィルと共にフローラン・シュミットの『サロメの悲劇』のロシア初演を行っている。
ウィルソンはまた、これまでに多くの世界的なソリストたちと共演している。往年の名ピアニスト シューラ・チェルカスキーの生前最後の演奏会はウィルソンが指揮するヘルシンキ・フィルとの演奏会であったし、ロストロポーヴィチとはドイツやイタリアで共演。
ヨーヨー・マとの共演はBBCのドキュメンタリー『タングルウッドでの一月』で放送されている。その他、トーマス・ツェートマイヤー、今井信子、ボリス・ベレゾフスキー、バリー・ダグラスらとの共演が忘れがたい。ウィルソンは現在ドイツを拠点として、ヨーロッパ各地の歌劇場への客演はもとより、フランス国立管弦楽団、フランクフルト放送交響楽団、オランダ放送フィル、デンマーク放送交響楽団、ノルウェー放送交響楽団、ヘルシンキ・フィル、フィンランド放送交響楽団、ルクセンブルク・フィル、さらにイタリア、スペイン、アメリカ、カナダのオーケストラにも多数客演している。最近では、2006年にベルリン交響楽団スペイン演奏旅行に同行して9回の公演を指揮している。2007年には巨匠ラファエル・フリューベック=デ・ブルゴスの代役として急遽マレーシア・フィルに招かれて絶賛を博した。
ウィルソンはすでに長年、ドイツ・ベルリンを拠点に世界各国で非常に活発な客演活動を展開しているが、 2004年から2007年まで、べオグラード・フィルハーモニー管弦楽団の首席客演指揮者・音楽監督も務めており、2007年秋には長年の優れた協力関係が評価され、サンクトペテルブルク交響楽団(芸術監督:アレクサンドル・ドミトリエフ)から、“Permanent
Guest Conductor”の称号を与えられる名誉を得ている。
(2008年5月現在)
ドリアン・ウィルソン公式ホームページ
ドリアン・ウィルソン フォトギャラリー
【映像資料】
ドリアン・ウィルソン&サンクトペテルブルク・フィルハーモニー管弦楽団
●チャイコフスキー:交響曲
第1番「冬の日の幻想」より
●R.シュトラウス:交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」より
ドリアン・ウィルソン&ベオグラード・フィルハーモニー管弦楽団
●ラヴェル:「ダフニスとクロエ」より(2006年10月ストックホルム公演)
●ショスタコーヴィチ:交響曲 第6番より
●ヴァーグナー:楽劇「ヴァルキューレ」第1幕(演奏会形式)より
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