![]() |
![]() |
|||
| 東京:03-5379-3733・3800/大阪:06-6241-8255/名古屋:0570-00-0758
(平日10:00〜18:00/土10:00〜15:00/日祝休業) アーティストサービス:03-3353-0593/本社:072-887-2560 |
||||
全集 1 全集 2 全集 3 全集 4 全集 5 全集 6 全集 7 全集 8 全集 9 |
||||
| 迫 昭嘉 ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ全集 | ||||
![]() |
||||
レコード芸術9月号 新譜評 器楽曲【特選盤】(濱田滋郎、那須田務) 【推薦】迫昭嘉は、早いものでひと昔近く前になるが、ベートーヴェンのソナタの中から〈ハンマークラヴイーア〉と〈月光〉を選び、ディスク・ファンに真価を問うたことがある(1994年、ライヴノーツ)。当時はまだ若手と言える年齢だったが今や押しも押されもせぬ中堅ピアニストの彼が、「ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ全集」の企面に踏み切ったのは、まさしく「時が熟して」に違いない。この間、迫は指揮者としても本格的な活動を開始して注目されたが、同時に2001年、神戸新聞松方ホールを舞台に「ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ全曲ツィクルス」全8回を実現、ピアニストとしての声価をもさらに高めたのである。今回、カメラータから発売の運びに至った当全集は、くだんの全曲ツィクルスにもとづく「ライヴ全集」にほかならない。迫の演奏は、ベートーヴェンに限らず、以前からケレン味のない正攻法のよさに特徴を持っていたと思う。ここに聴く、収録順に第5番ハ短調、第13番変ホ長調、第14番嬰ハ短調〈月光〉、第23番ヘ短調〈熱情〉の各ソナタも、すべて、いたずらな誇張や恣意的な表現はいっさい見られない、端正な演奏ばかりだと言える。だが、いっぽうそれらが、外形美だけを追った単調なものには陥らないどころか、つねに豊かな生命感を湛えたいわゆる″生きた″奏楽となっている事実を認めない人はあるまい。ここには、迫昭嘉というピアニスト、かつ人間の姿が、その「声」が、あきらかに刻印されている。やはり詮じつめれば、こうしたヒューマンな要素あってこそ、ベートーヴェンの音楽には生命の灯が込められる。たんに楽譜どおりに弾くことと、楽譜を尊重するとともにそれを心の声と実感しながら再現していくこととのあいだには、たとえ物理的には些少の差であろうと、じつに計り知れぬほど大きな深淵が存在する。こういう演奏を聴くと、そのことがあらためてよく感じられる。 〈濱田滋〉 【推薦】よく磨かれた音色と堅牢な技術、安定した構成感に裏打ちされた、いわばドイツ的な解釈のベートーヴェンである。加えて、正確で丁寧に扱われたアーティキュレーションがすばらしく、無駄のない、過分な情緒を排した簡潔な表現が、とくに初期から中期にかけてのこれらの作品によく馴染む。様々な音型やバッセージに適切な表情が乗せられ、その上、曲の推移が首尾一貫していて、音楽の流れが自然に感じられる。それは、コンサートのライヴ演奏ということと、無関係ではないだろう。録音データを見ると、すべて別々の日に収録されているのだが、それでもなぜか曲を追うに従って、自由度を増し、意識も深くなり、感情表現もよりストレートになっていくように思える。あたかも1日で4曲がこの順番で演奏されたかのように。作品10の1は、力みのないリラックスした出だしでほどよい抑制が効いている。テクスチュアも明快。作品27の1、第1楽章の冒頭変ホ長調のやわらかな情感が快い第3楽章には3拍子のダンサブルな愉悦が感じられる。終楽章の速いパッセージも和音がいたずらに濁らない。〈月光〉の第1楽章は表現が抑制され、アレグレットでは3拍子のリズムの特徴がほのかに強調される。トリオはアクセントとレガートというアーティキュレーションの対比の妙が自然に生かされる。第3楽章はきぴきぴとした音の運びが快い。〈熱情〉はアルバム中最もスケールが大きく、自由度の高い、開放感に満ちた秀演。強奏の部分も十分にギガンティッシュ (巨人的)。続編が楽しみだ。 〈那須田〉 モーストリークラシック 9月号 ピアニストとしての集大成になるのか? 指揮者としての才能を開花させた迫の緻密な音楽づくりが際立つチクルス第1弾 指揮もするピアニスト。ピアノも達者な指揮者----------。どちらのタイブの音楽家も、この広い世界には数多く存在している。しかし、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲をレコーディングし、かつ本格的な指揮活動に取り組んでいるピアニストとなると、さて、何本の指を祈ることができるのか。まず最初に指を屈すべきがバレンポイムであることに異論を唱える人はいないだろう。二人目はN響のシェフに就任するアシュケナージ。そして、彼らに続く第三の男が、わが迫昭嘉なのである。2001年、デビュー二十周年を記念して迫は、神戸新聞松方ホールにおいてベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲チクルスを敢行した。このアルバムはそのライヴ録音の第1弾。高度な精神集中から生まれた緻密な音楽に、思わず居住まいを正してしまうような演奏だが、彼の指揮活動が本格化したのも実は同じ時期なのだ。なんというエネルギーの発露。芸術的な蓄積が一気に噴き出して疾走を始めた音楽家の転機を告げる一枚だ。 2003年8月10日 産経新聞 今月も、旬を迎えている日本人アーティストのアルバムが勢ぞろいだ。そのトップバッターは、ピアノの迫昭嘉。2001年に神戸で行われたベートーベンのピアノ・ソナタ全曲演奏がライブ録音されたが、その第一弾が今月登場した。5、13、14、23番を収めているが、どれも疾走感、高揚感を持ちながら、それでいて男性ならではの繊維さが共存、聴いていて爽快さが残る。 2003年7月23日 毎日新聞 「今月の私の3枚−クラシックー」(平野 昭) 話題となった神戸での全曲演奏会のライヴ録音。迫昭嘉によるベートーヴェン演奏の深化が聴ける。旧録音より洗練された「月光」や「熱情」も素晴らしいが、第5番ハ短調ソナタ終楽章のシンフォニックで構築的な音楽作りなどは必聴だ。 音楽現代9月号(青澤 唯夫) 【推薦】迫 昭嘉によるベートーヴェン・ピアノ・ソナタ全集の第1集(Camerata)。演奏は迫の近年の充実した演奏活動の成果を物語るもので、こうしたお嬢さん芸を単にCD化したものではない、真のプロフェッショナルな演奏家の仕事はやはり聴きごたえがある。 人気作品でもある「月光ソナタ」などにしても迫は指にまかせて諷爽とかっこよく弾き飛ばすことをしない。じっくりと魂を揺り動かすまで弾き込んでいる。どの曲も表現が地に着いていて、まだ若いのに「若気のいたり」といったところはない。 シリーズ次の新作が待たれる。 |
||||