日本経済新聞 '08 10月7日
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月刊ぶらあぼ '08 7月号 ぴっくあっぷ
奥が深いのはネーミングだけじゃない!!
「ロータス」とはギリシャ語のlotusにもとづく言葉で、ハス、睡蓮などをさす。もとより仏教にも非常に関係が深いし、古代ギリシャやエジプトでもさまざまなシンボリックな意味をもっていた含蓄のある言葉なのだ。その名を冠したのが、「ロータス・カルテット」。近年、日本でも腕利きの若手の弦楽四重奏団が続々誕生している状況だが、このクァルテットは主要メンバーが日本人ながらも、シュトゥットガルトを拠点にクァルテットの伝統精神を受け継ぐ、まさにユニークな存在。東洋と西洋のそれぞれの美点をあわせもつこのクァルテットは、まさに「ロータス」の名にふさわしい。
メンバーは、ヴァイオリンの小林幸子、マティアス・ノインドルフ、ヴィオラの山碕智子、そしてチェロの斎藤千尋。ノインドルフは2005年からの参加である。この9月から10月にかけて行われる日本ツアーでは、ベートーヴェンを中心にした弦楽四重奏の名曲中の名曲に挑む。クァルテットの世界では現代曲や委嘱新作を中心に取り組む団体もあるが、ロータスは今回はあえて古典に的をしぼっている。18世紀後半の市民社会の台頭とともに生まれたクァルテットというジャンルは、まさにヨーロッパ精神の体現だが、ロータスはすでにメロス、アマデウス両弦楽四重奏団の薫陶を受け、その伝統をしっかりと熟成させてきた。2年ぶりの日本ツアーで、その成長ぶりにじっくりと耳を傾けたい。
文:伊藤制子
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